活動報告

【2023.9.16  講演要旨】

ヤマトンチュとして沖縄に向き合う ―沖縄戦を繰り返さないために―

「遺骨で基地を作るな!緊急アクション!」呼びかけ人

西尾慧吾

  講演する西尾慧吾さん

 

今日私がお話しする「遺骨土砂問題」は、サブタイトルの「沖縄戦を繰り返さないために」です。沖縄戦の歴史に私たちはどう向き合うがが問われている。1945年4月1日にどうして沖縄での地上戦が始まったのか。当時は1年も前から沖縄に軍隊が配備され、住民を動員して飛行場を増設し、軍と住民の距離を縮めていった。その準備期間を経て地上戦が始まった。いま再び沖縄を戦場にするような動きに対して、沖縄戦の実体験を通じてヤマトンチュとして今の沖縄問題について考えていきたい。

 

 私と沖縄との出合い

 2015年高校生のとき修学旅行で初めて沖縄に行った。被爆地の広島や長崎への修学旅行と異なり、沖縄戦の事前学習もせずにリゾート気分だった。しかし戦後70年経っても沖縄では戦没者の遺骨収集が行われていた。戦争の爪痕が残っている現実を知ったことが契機となり、沖縄戦について一生懸命学ぶことにした。

 遺骨土砂問題とは

 沖縄戦戦没者の遺骨が残されている沖縄県南部(糸満市、八重瀬町)の土砂を使い、民意に反する辺野古新基地建設が強行されようとしている。私がこの問題を知ったのは、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマファ」の具志堅隆松さんが2021年3月、沖縄県庁前でハンガーストライキをされたとき。この時は沖縄タイムス、琉球新報はいずれも1面全部を使って報道した。基地建設反対の人だけではなく、戦没者の遺骨を埋め立てに使うことは人として許されない運動として大きく広がった。沖縄県議会の自民党会派も防衛庁に申し入れたり、沖縄県議会では全会一致で意見書を採択した。ところが全国メディアはほとんど報道しなかった。

 辺野古の軟弱地盤を埋め尽くすには大量の土砂が必要であり、国は沖縄県内から、しかも戦没者の遺骨・遺品が残された南部地域からその大半を搬出することを決めている。ヤマトンチュとしてこの構造を打破しなければと思ったのが私の行動の始まりである。

 歴史的・構造的沖縄差別

 構造的=日本の国家・社会の仕組みが、沖縄の犠牲を前提に組み上がっている。沖縄には基地があり、何か有事が起きると基地がある沖縄が犠牲になる。日米安保体制、日米地位協定は沖縄の犠牲なしに成り立たない。

 歴史的=沖縄の犠牲を前提にした同じ構造が、1609年の薩摩侵攻、1879年の琉球処分による併合、1945年の敗戦で沖縄を米軍の占領下など、形を変えて400年以上続いている。

 差別=沖縄だけが一方的に、常に犠牲にされる側である。

 この状態は現在も継続されているのではないか?

 必要なのはヤマトンチュの覚悟と想像力

  私は珠洲市の坂本菜の花さんら沖縄県内外の若者たちと共に呼びかけ人となり、「具志堅さんのハンガーストライキに応答する若者緊急ステートメント(声明)」をウェブで発表した(2021年3月5日)。また4月5日~9日、「若者、ガマフャと語る」をYouTubeでオンライン配信し、ブックレットも出版した。

 「沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使用しないよう求める」自治体意見書運動にも取り組み、沖縄県議会は2021年3月議会で、私の地元の大阪府茨木市議会では同年6月議会で意見書が採択された。具志堅さんが全国各自治体に働きかけたところ、石川県内では金沢市議会が同年6月議会で、坂本菜の花さんらが請願した珠洲市議会では9月議会など8自治体が採択しており、全国で意見書採択自治体は230を越えている。市議会レベルでは、辺野古新基地建設問題に触れなくても人道上許されない問題として意見書を採択したところが多い。

県内の埋め立て土砂採取場所と
調達可能量
地区 調達可能量
(単位千㎡)
国顔村     2,340
北部 名護市    9,482
本部町
南部 糸満市   31,596
八重瀬町
宮城島    300
宮古島    505
石垣島  480
南大東島      60
合計   44,763
(注)南部地域の調達可能量は全体の70.6%を占める

 

辺野古 埋め立て状況
埋め立て場所 実施済 計画量 達成率
辺野古側  約264万㎥   約319万㎥ 約83%
大浦湾側 0 約1699万㎥ 0%
全体  約264万㎥ 約2018万㎥ 約13%

 

   南部土砂なくして辺野古新基地建設なし

 辺野古の大浦湾側を埋め立てるには大量の土砂が必要である。これまで土砂投入から4年で埋め立て地域の投入量は13%にとどまっており、工事の見通しが立たない。別表からわかるように南部から土砂を採れないと大浦湾側を埋めることができないから辺野古新基地は完成できない。だから南部地域の土砂を埋め立てに使うか否かは辺野古新基地建設の成否に大きな影響を与える。

 具志堅さんの言葉「負ける気がしない」「勝たねばならない闘い」

 6月23日慰霊の日、「守ろう!戦没者の尊厳+沖縄県民の命」集会での具志堅さんの発言を紹介する。

「戦没者の遺骨を、血を吸い込んだ南部の土地から土砂を取って埋め立てに使うというのは、戦争の犠牲者への冒涜に他ならないからです。これは絶対許してはいけません。世の中に間違っていると断言できることはそんなにありません。しかし、これは明らかに間違っています。人道上間違っているんです。私たちが沖縄戦から得た教訓というのは、大きく言って二つあります。一つは軍隊は住民を守らない。そして、軍隊がいる所は軍隊に狙われると言うことです。」

 正義・人道のための闘いを「沖縄任せ」にしない

 遺骨土砂問題も、辺野古新基地建設問題も、全てヤマトンチュが作り出し沖縄に押しつけている問題である。「県知事頑張れ」とヤマトンチュが言うのは無責任。頑張るのは私たちヤマトンチュの方である。

 日本政府の姑息な沖縄分断政策こそ最も批判すべきである。「遺骨土砂」の搬出等、沖縄県・具志堅さんらウチナンチュの運動側と沖縄の業者とが分断・対立させられることで、問題が沖縄内部に矮小化されている構図を見極めなければならないと思う。

 今日のお話が石川県において新たな火種になればよいと思います。ありがとうございました。

2023 9 16 西尾慧吾講演会 – YouTube

※トラブルにより質疑の途中で終了しております。ご容赦ください。

戦争を回避せよ―「新しい戦前」にならないために

     新外交イニシアティブ代表・弁護士 猿田佐世

      講演する猿田佐世さん

 私は、米国からの圧力とは何かをワシントンで実際に見ていました。多くの情報が日本人によって歪められていました。例えば民主党政権誕生時に、今後の日米関係はどうなりますか、という質問に「悪くなる」ばかりの結果となるアンケートもありました。でもシール貼っているのは日本人なのです。米国規範に追随するというのは相当程度、日本人が好んで作ったものなのです。改憲についても、自分が変えたくて、米国にお願いして雰囲気をつくっているのです。米国からの〝拡声器効果〟なのです。これは〝自発的な対米従属〟そのものです。

一、安保三文書とは(背景・内容・日米関係)

 まず確認しておきたいことは、①日本一国では、戦争になる理由がない、②日本が中国と戦争になるのは、米中紛争である台湾有事に巻き込まれたときのみ、ということです。本来、日本には台湾を守る義務はないので、日本自らが関わるという選択肢を選ばない限り、日本が戦場になる可能性はありません。

 北朝鮮と戦争になる可能性は極めて低いです。攻撃したら北朝鮮の金政権は崩壊します。ロシアはウクライナでかなり疲弊しているので、日本を攻撃することは不可能です。よって日本の安保政策の絶対命題は「台湾有事を回避せよ」となります。

 安保三文書改訂(作年12月)で政権は、①「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有すなわち、米国製巡航ミサイル「トマホーク」等を大量購入予定して米軍と共同運用、②防衛費の倍増すなわち、27年に対GDP比2%にすることを決めました。①は、国際法違反の先制攻撃のおそれがあり、憲法・専守防衛からの逸脱そのもので、②は、財源が決まらないまま軍拡競争「安全保障のジレンマ」に突き進み、さらに地域は不安定化するだけです。抑止力は「信頼供与」がなければ機能せず、そのためには「外交」が不可欠です。

 米軍と自衛隊の一体化の加速は、今年一月の日米安全保障協議委員会(日米「二+二」)に表れています。南西諸島を含む地域における共同使用を拡大し、共同演習を増加し、敵基地攻撃能力の効果的な運用へと舵を切り、空港や港湾を使いやすくし、沖縄の海兵隊を「海兵沿岸連隊(MLR)」に改編し、機動性を上げた小規模部隊で南西諸島防衛に資する、等を意味します。

 同じく1月の日米首脳会談では、三文書改訂を歓迎し、安保能力強化「台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性」を確認しあいました。

 いま米国は同盟国頼りとなっています。力を落としている米国の対中戦略は同盟国との連携なのです。米「国家安全保障戦略」(昨年10月)の〝統合抑止〟は、同盟国に軍事力強化を促し、自国の抑止に組み込むことを目指すものです。これに日本は三文書改訂で即、応えたわけです。まさに対米従属です。

 すなわち安保三文書改訂の意図は、国家安全保障戦略に書かれているとおり、「インド太平洋において日米の協力を具体的に深化させることが、米国のこの地域へのコミットメントを維持・強化する上でも死活的に重要」であって、抑止力を強化し、米国陣営を強化し、米国の補完をしつつ、米国を巻き込むことにあるのです。

二、安保三文書の問題点

 これはとても無責任な文書です。まず①自分たちへの影響を全く語っていません。防衛研究所報告書によると、中国のミサイル攻撃を完全に封じ込めるのは困難ですが、攻撃を受けながらも対艦攻撃などで足止めさせ、台湾や尖閣への上陸を防ぎ、米軍が世界中から駆け付けるまでの半年から一年の、時間を稼ぐというものです。中国は非常に精密な攻撃能力を持つので、被害は米軍・自衛隊使用の飛行場や港湾に限られ、民間人が巻き込まれることは殆どない、という無責任なものです。戦略国際問題研究所(CSIS)の台湾有事の机上演習(今年1月)にも民間人の被害について、ほぼ言及がありません。

 さらに経済的被害についても何も語っていません。ドイツで「日本では中国に対する経済制裁についてどんな議論をしているか?」と問われて驚きました。全貿易のうち日中貿易は既に約4分の1。有事となり自衛隊派兵となれば完全に断絶することになり、全国民の生活が根本的に破壊されるのは明白です。国際法の順番は、派兵する前に経済制裁なのです。派兵ありきの議論は全く非現実的です。勿論、経済制裁では日本が先に干上がってしまいます。

 そして②中国に軍事力にのみで対抗しようとするのは愚かです。今回の防衛予算の倍増によって軍事支出が世界第3位になったとしても、中国の5分の2に過ぎません。既に中国のGDPは22年比で日本の四倍です。中国の軍事費はこの20年間、GDPの1.7%程度。軍事力だけの対抗は愚の骨頂です。こう言うと「日本だけで対応するのでない」という方がおられますが、中国の台湾進攻時に米国が軍事介入するか、実のところ定かではありません。

非同盟国に幾度も介入してきた米国がウクライナ戦争に直接介入しないのは、ロシアが核兵器国・軍事大国だからであり、第3次世界大戦への呼び水になりかねないからです。中国も核兵器国・軍事大国です。ヨーロッパはもっと怪しくて、NATO諸国一四ヵ国調査では台湾有事の際、紛争終結のための外交35%、対中経済制裁32%、何もしない12%、台湾への武器供与4%、台湾派兵2%(欧州諸国だけなら1%)という結果です。米国が傍観し、日本だけが戦うということになりかねません。

三、ではどうするか(提言)

 安全保障政策の目標は、戦禍から国民を守ること即ち、戦争回避でなければなりません。抑止力強化一辺倒の政策で、本当に戦争を防ぎ、国民を守ることができるのでしょうか。

 軍事力による抑止は、相手の対抗策を招き、無限の軍拡競争をもたらすとともに、抑止が破綻すれば、増強した対抗手段によって、より破滅的な結果をもたらします。

 戦争を確実に防ぐためには、「抑止」とともに、相手が〝戦争してでも守るべき利益〟を脅かさないことによって、戦争の動機をなくす「安心供与」が不可欠です。抑止の論理にのみ拘泥する発想からの転換が求められる所以です。

 台湾有事を回避するためには、過度の対立姿勢を諫めるべく、米国に対しては、米軍の日本からの直接出撃が事前協議の対象であることを梃子として、必ずしも同意しないことを伝え、台湾に対しては、民間レベルの交流を維持しながら、過度な分離独立の姿勢を取らないように説得し、中国に対しては、台湾への武力行使は国際的な反発が中国を窮地に追い込むことを諭し、日本は台湾の一方的な独立の動きは支持しないことを明確に示すことで、自制を求めることです。

四、事前協議制度を利用して 米国に今から迫れ

 60年の日米安保条約改定により、日本から行われる戦闘作戦行動のための日本国内の施設・区域の使用には、事前協議が必要になりました(事前協議制度)。台湾有事の際は、これが適用される初めての機会となり得ます。但し米国側は日本の「拒否権」を認めておらず、肝心な時に無視され得ると考えられます。よって対米外交のカギは、「台湾有事の際の直接出撃は事前協議の対象になる」「必ずしも事前協議で賛同することは限らない」と現時点から米国に伝えることが肝要になってきます。政府に二枚舌を許さない世論喚起が必要です。

五、めざすべき外交

 日本外交のモデルになり得るのは、米中対立の主戦場になっている東南アジアの外交です。ASEAN外相会議では既に南シナ海の問題をめぐり、20年9月段階で複数の会議で議論を積み上げ、対立が軍事的レベルに高まっている米中を念頭に「地域の平和と安定を脅かす争いに囚われたくない(どちらか一つという選択を迫られることを望んでいないDon’t make us choose)」と自制を促すメッセージを発しています。また21年9月に発足した米英豪の対中国軍事パートナーシップ(AUKUS)に対しても、しっかりと懸念を表明し、核拡散防止条約と国連海洋法条約の順守をしっかり求めるという対応をしており、軍事一辺倒の日本と大違いとなっているのです。米中対立においてどちらにも組みしない外交姿勢でASEANは一貫しているのです。

 日本が「ミドルパワー」の国であることを自覚し、「Don’t make us choose」と叫ぶ各国と連携して、米中対立の緩和を呼び掛けるべきでしょう。

(文責 非核いしかわ編集部)

◎5月20日に金沢市内で開催された「戦争をさせない石川の会」主催の講演会の講演要旨です。

 

 

 戦争をさせない石川の会が11月5日、近江町いちば館4階集会室で開いた講演会の講演要旨を紹介します。

「ウクライナ問題-消えないモヤモヤ感」

神戸大学名誉教授  ロニー・アレキサンダー

講師のロニー・アレキサンダーさん

 私は愛猫ポーポキとの仮想問答をとおして〝平和〟をずっと考えてきました。「平和って何色?」と質問すると、さまざまな答えが返ってきました。感性だから正解はないのです。そもそも平和を一つの色に限定することに無理があるのです。

 お互いに個性を尊重しあい、個々人が持っているものを発揮できる状態は、平和であればこそ。たとえ戦争がなくても、差別や貧困があれば、それは決して平和とは言えないのです。

 世界の平和運動は、実は困難が山積しています。米国の平和運動は元々まとまりにくい事情がありますし、「平和」をもたらす解決策も、非暴力平和主義から軍事力強硬論まで様々ですし、「制裁」を支持するか否かについても、容易に意見は一致しません。

 その間に、兵器産業や金融投機筋の収益はうなぎ上りとなっており、その一方で食料・燃料エネルギー・肥料など、脆弱性のある地域を中心に人類の生存を脅かす事態が進行し、それが女性、貧困層、労働者などにシワ寄せとなっています。この根底にある問題に目をつむるわけにはいきません。

 軍隊があるから戦争が起きるのです。真の平和な社会を築くためには、お互いの〝つながり〟が決め手です。それさえあれば社会の不条理に一緒に立ち向かうことが出来るのです。

 たしかに非暴力を貫くのは難しいです。しかし非暴力の土台をつくる努力を決して忘れてはなりません。

 若者たちには、自身に抜けている視点はないかを冷静に考えてほしい。そしてモヤモヤを共有することから出発できれば、何かが始まるのだと伝えたい。違う者同士の接点づくりの技術を身に着け、未来社会の平和の土壌づくりに本気で勤しんでほしいのです。

 9月5日、戦争をさせない石川の会は、安倍晋三元首相の「国葬」中止を求める声明を岸田文雄首相及び石川県政記者室に送りました。本会ホームページに紹介します。

【声明】

 内閣総理大臣  岸田文雄殿

       安倍晋三元首相の「国葬」中止を求めます

 私たちは、安倍晋三元首相の「国葬」実施について、以下4点の立場から反対の意志を表明するとともに、その中止を求めます。

1. 安倍氏の「国葬」は、法律の根拠を欠いている。

2. 安倍氏の「国葬」は、憲法上の権利である「法の下の平等」に反する。

3. 安倍氏の「国葬」は、国民に弔意を強制するものであり、憲法上の権利である「思想・良心の自由」に反する。

4. 安倍氏の「国葬」は、元首相としての「業績」を美化し、それを強制するものであり憲法上の権利である「表現の自由」に反する。

 

1. 現在、「国葬」について定めた法律はありません。岸田首相は、内閣府設置法上の内閣の所掌事務として「国の儀式」にあたると閣議決定で実施を決めました。国会の議決も経ずに「国葬」を決めるのは、立憲主義を破壊するものです。また、「国葬」には国費を充てるとしているが、国会の議決に基づかない行使は、財政民主主義をないがしろにするものです。

2. 岸田首相は安倍氏を「国葬」にする合理的理由を示していません。政権の思惑だけで特定の個人を「国葬」として特別扱いするのは、憲法が規定する平等原則に反するものです。

3. 安倍氏の「国葬」は、全国民にかわって国が安倍氏への弔意を表明することです。これは、国民一人ひとりに弔意を押しつけるものであり、憲法が定めた「思想・良心の自由の保障」に反するものです。

4. 安倍氏は首相として、戦後レジームの解消をとなえ、国家主義的・軍国主義的な政治姿勢が顕著で、教育基本法の「改正」、特定秘密保護法、共謀罪法、安保法制など、日本を再び戦争のできる国づくりを進めてきました。また、政治の私物化、ウソとごまかし、立憲主義の破壊などの政治手法、行政情報の改竄・隠蔽など不誠実な政治姿勢には多くの批判があります。「国葬」によって安倍氏の「業績」を美化することは、安倍政治に反対する声を殺ぐ作用をはたし、表現の自由に反するものです。

 2022年9月5日

                        戦争をさせない石川の会

                        共同代表:山村勝郎(元金沢星稜大学学長)

                         菅野昭夫(弁護士)

【戦争をさせない石川の会・講演会】

  ウクライナ侵攻から平和を考えるー世界史の順行と逆行ー

 名古屋大学名誉教授  池内 了  

            講師の池内 了さん

  池内了さん(名古屋大学名誉教授)の講演会が戦争をさせない石川の主催で7月31日、金沢歌劇座2階大集会室で開催されました。宇宙論の研究者である池内さんは、地球から見て火星の動きが順行と逆行を繰り返しているように見えるが、巨視的には惑星として共にJ順行している。世界史で、戦争と野蛮、非戦と戦争も順行と逆行を繰り返しているが、長期的には世界は変わっているとの基本的視点を展開されました。

 戦争の歴史で、科学技術の使用が進むに伴い、次々と残酷な手段を禁止する条約が成立した(ジュネーブ議定書、生物兵器禁止条約、化学兵器禁止条約)。戦争と平和の逆行と順行は、戦争の度に戦争に頼らないで紛争を解決する道を拓いてきた(国際連盟、国際連合)。この順行の流れの中で日本国憲法の平和主義が生まれ、日本が決して侵略国家にならない、平和の中で生きていくことを宣言した。

 戦後、大国間の戦争は回避されて来たが、軍事大国(米、ロ、中国)は、軍拡競争を牽引し多くの小国への侵略と威圧で、逆行の道を歩んでいる。しかし、核保有5カ国は、国際世論に追い詰められ「核戦争を防ぎ、軍拡競争と核の拡散を行わない」共同声明を出さざるを得なくなっている。

 ロシアのウクライナ侵略は、世界史の逆行であり、第3次世界大戦、核戦争、国連の限界を内包している。この行方には3つの方向(ロシア又はウクライナの敗北、ウクライナの停戦受け入れ=白旗)が想定されるが、多くの批判があるが白旗路線を考えている。それは、命に勝る正義なしとの立場からである。

 現在ウクライナにとって、国権主義か私権主義かが問われており、国家による戦争遂行の強制と基本的人権の対立軸は報道されていない。世界が採るべき方策は、国連総会決議を最高の意思決定として、安全保障理事会を上回る拘束力を持つ国連改革であり、ロシアとウクライナに即時停戦を説得する決議と核兵器先制使用禁止決議であろう。

 戦後、侵略をしない国として信頼を得て来た日本は、参議院選挙の結果、日本が侵略する国になりかねない危険が増している。

 自民党改憲案で自衛隊を軍隊と明記すると、一般刑法と別に軍事法廷や徴兵制の導入が想定される。大学や研究者が守ってきた「学術は軍事に協力しない」ことが崩されつつある。研究費の貧困を背景に、防衛省安全保障技術研究推進制度による軍事研究が行なわれている。経済安全保障法の下で軍事・機微技術の開発を国が管理する重要技術育成プログラム(5,000億円)は、4領域(宇宙、海洋、サイバー空間、バイオ)20分野の推進計画で、参加する研究者には守秘義務が課せられ、軍事研究を強める施策が進んでいる。

 これまでに成立した悪法により民主主義の根幹が危うくなっている。また若者への教育は貧弱で、政治的無関心が助長され、同調圧力や「空気を読む」雰囲気の中で、社会の一体化の共同幻想に陥り、私権の制限すら許容する傾向が見られる。これは、ファシズムに導かれる危険であることを知らなければならない。

 個々人の生命、生活、人権を確保することを最優先にして、平和を守る。軍事力に頼よれば、却って戦争の危険を増やす。私は「ピカソで平和を守る」と提唱している。文化の満ち溢れた社会にし、非武装都市宣言で平和を守る、そのためにも、慌てないで諦めずに粘り強く平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を主張し続ける必要がある。

 講演後の質疑応答で、「科学が軍民共用(デュアルユース)であり、区別できないと考える教員が多い、その対応は?」との質問に、3つの基準(財源=防衛省か文科省か、応募の目的は何か、公開性が担保されているか)で区別することができると答えられた。

 

 戦争をさせない石川の会は、このたびのロシアによるウクライナへの侵略に深い憤りを持っており、ロシアの侵略に強く抗議するとともに、一刻も早く戦争を終結させるために岸田文雄首相が外交交渉による解決への努力をさらに強めるよう要請する声明を発表しました。内閣総理大臣宛に送付した声明文を掲載します。

 

内閣総理大臣  岸田文雄  殿

[声明]ロシアのウクライナ侵略に抗議し、岸田文雄首相に戦争終結の外交努力を求める

 ロシア軍のウクライナ侵略は国際法に違反する明確な犯罪行為です。ロシア軍の侵攻作戦はウクライナ各地で無差別攻撃となっており、子どもを含む民間人の死傷者は増え続けています。ゼレンスキー大統領が「大量虐殺」と非難し、3月11日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合では各国が戦争犯罪だと指摘しました。

 ロシア軍の原子力発電所への攻撃は、プーチン大統領が示唆する核兵器の使用に現実味をもたらしています。日本は世界で唯一つの被爆国であり、福島第一原子力発電所事故で核のもたらす甚大な被害とその危険性について身を持って経験しています。プーチン大統領とロシア軍の核をもてあそぶ行為は、人類の生存に対する挑戦であり強く非難します。

 「侵略やめよ」の国際世論と連帯行動は急速にわき起こっており、市民社会のロシア包囲網は日に日に高まっています。

 また、ウクライナは、ロシアがルハンスク及びドネツクにおいてジェノサイド行為が発生しているとの虚偽の主張を行い、ウクライナに対する軍事行動を行っているとして、ロシアを国際司法裁判所に提訴し、裁判所は、3月16日、ロシアに対して直ちに軍事作戦をやめ、また、軍隊や非正規部隊等が軍事作戦を更に進める行動をしないことを確保しなければならない、とする「暫定措置命令」を出しました。私たちはこの判断を強く支持するとともに、ロシアは直ちに無条件で撤退することを求めます。

 今このときも、ウクライナで多くの血が流れ市民は恐怖にさらされています。一刻も早く戦争を終わらせ平和を回復するには外交による解決が急がれます。広島出身の岸田文雄首相は、核被害の経験と憲法9条を持つ国として、ロシアの蛮行に歯止めをかける外交交渉を担える立場にあります。日本国民の反核と反戦の強い世論を背に世界の政治指導者を動かす先頭に立ち、戦争終結に導く努力に踏み出すよう強く求めます。

  2022年3月19日

                        戦争をさせない石川の会

講演要旨

「進む要塞化 琉球孤の今 ― 日米軍事化のはざまで」

沖縄タイムス編集局次長 阿部 岳

「辺野古に陸上自衛隊」を常駐

 2015年に陸上幕僚長・岩田清文陸将と在日米海兵隊司令官・ニコルソン中将が、辺野古新基地に陸上自衛隊(以下 陸自)の離島専門部隊「水陸機動団」を常駐することを極秘合意していたことを6年経った今、沖縄タイムスと共同通信の合同取材で明らかになった。この水陸機動団とは、「劣閣有事」を念頭に離島奪還を任務として2018年に創設した「日本版海兵隊」である。現在は650人規模の連隊が二つあり、2024年3月末までに三つ目の連隊を長崎に創設する。

 陸自は、水陸機動団の編成を検討し始めた2012年から連隊の一つを劣閣に近い沖縄に置くと決めていた。陸自幹部は、オスプレイと水陸両用車が使えて米海兵隊と合同訓練ができる辺野古新基地は「条件がそろっている」と述べている。

 一方、米海兵隊が陸自の水陸機動団を受け入れたのは、「カウンターパート」がほしいからだ。米4軍のうち他の3軍は中枢部隊が自衛隊と同居している。

 米陸軍=陸自/座間基地

    米海軍=海自/横須賀基地

    米空軍=空自/横田基地

 ニコルコン氏は連隊の一つだけでなく、水陸機動団の本部ごと辺野古に移転するよう要求している。沖縄駐留の海兵隊が今後、グアムやハワイに移動する計画があり、がら空きになる米軍基地を自衛隊に維持管理してもらうことを想定しており、今後このように動く可能性がある。

2015年の極秘合意と政府の反応

 辺野古に陸自の水陸機動団を常駐するという2015年の極秘合意につき、政府の反応はどうか。

 岸防衛相は「正式合意ではない」「さまざまなやりとりはある」「シュワブ内の陸自施設計画図があったという話はある」と答弁した。しかし菅首相は「従来より代替施設における恒常的な共同使用は考えていなかった。その考えにこれからも変更はない」と虚偽答弁している。当時の安倍政権中枢は、「辺野古への陸自施設計画の存在が広まったら、沖縄の反発は抑えられなくなる」と述べており、新基地が完成すればこの計画を推し進めようとしている。

辺野古新基地はそもそも必要か

 1996年の普天間返還合意から25年経過したが、「普天間代替施設」「海兵隊の移転先」の辺野古新基地は沖縄県民の強力な反対運動により進展していない。海兵隊は今後、グアムやハワイに移動するため、陸自幹部は「将来、辺野古は実質的に陸自の基地になる」と話している。しかし、海兵隊が使わないならば陸自のための辺野古新基地は要らないし、普天間飛行場の無条件返還も可能である。

基地の恒久要塞化

 普天間返還合意の翌年、1997年に政府が設計したのは「海兵隊用の撤去可能な海上ヘリポート」だったが、2002年には「海兵隊用の埋め立て基地」に設計変更し、今後、国際情勢の変化で海兵隊が撤去しても「自衛隊用の埋め立て基地」が残り、基地の恒久要塞化が狙われている。

無用の水陸機動団

 陸自の水陸機動団は周回遅れで海兵隊をまねたもの。オスプレイは装甲が薄く危険地帯では飛ばせない。また水陸両用車AAV7は海上では時速13㎞であり、尖閣のような岩場では上陸できない致命的な欠陥がある。役に立たない代物である。このことにつき、オーストリアの軍事研究者は「敵前上陸は時代遅れ」「水陸機動団の発足は戦略上の必要性ではなく、陸自のロビー工作の結果ではないか、と海自の幹部たちは疑っている」と報告している。

辺野古の自衛隊移管は幻想

 政治家たちは「辺野古の自衛隊移管で主権回復する」と主張しているが、米軍も自衛隊も望んでいない。日米地位協定上も辺野古の自衛隊管理には無理がある。あくまで米軍が管理し、自衛隊が使わせてもらう形を想定している。

琉球弧と土地利用規制法

 米軍・自衛隊基地や原子力発電所の周辺、国境離島などの土地の利用を規制する「土地利用規制法」が今国会で強行可決された。同法は、重要施設の周囲1㎞や国境離島を「注視区域」に指定し、土地や建物の所有者の氏名・住所・利用実態などを政府が調査することができる。この調査範囲はあいまいで、政令や閣議決定に委ねられており、思想・信条を侵害される懸念がある。特に重要な施設の周辺は「特別注視区域」として、不動産売買が規制される。米軍基地が集中し、国境離島でもある琉球弧(沖縄)は全域が「注視区域」に指定される恐れがある。土地利用規制法が施行されると琉球弧に最も大きな影響があるが、やがて全国にも波及することは必至である。

 石川県では自衛隊小松基地、志賀原発が重要施設であり、舳倉島は有人離島地域となる。原発周辺の1㎞以内が「注視区域」に指定される可能性がある。

 つながることが大事

 沖縄では島々の間に海と県境があり、市民も報道も孤立しがちだが、今回の「辺野古に陸上自衛隊」の報道は、沖縄タイムスと共同通信の合同取材によるもの。沖縄タイムスだけでは記事化できなかった話を共同通信記者と連携して報道することができた。これからますます強くなる権力と異議申し立ての声が抑えられる中、つながることが大事、束になって対抗する活動方法が求められている。

◎戦争をさせない石川の会が6月26日、金沢歌劇座2階大集会室で開いた講演会要旨です。

 阿部岳さんの講演の後、金沢市議会が6月定例会本会議で「沖縄戦戦没者の遺骨混入土砂を埋立てに使用しないことを求める意見書」を全会一致で可決したことや珠洲市在住の坂本菜の花さん(21歳)らが珠洲市議会に請願書を提出したことなど、沖縄テレビの報道も紹介され、沖縄と石川のエール交換の場になりました。

憲法改悪NO ! 市民アクション・いしかわが開いた学習会「憲法から見た菅政権」(3月20日、石川県教育会館2階会議室)

 

【講演要旨】

「敵基地攻撃」論をめぐる問題点

神戸大学名誉教授  五十嵐正博

 国連憲章第51条(1945年6月26日採択、10月24日効力発生)では、「自衛権の発動は重大な武力攻撃が発生した場合に行使する」と規定しており、日本国憲法九条(1947年5月3日施行)では、戦争の放棄、戦力及び交戦権を否認している。

 「敵基地攻撃」論の出発点

 最初に国会で敵基地攻撃について議論になったのは1956年2月28日、当時の社会党の石橋政嗣議員が自衛隊法改正にあたり「自衛権」の定義を問うた衆議院内閣委員会である。鳩山一郎首相は「自衛のためということは国土を守るということ、国土を守ること以外はできない。飛行機でもって飛び出していって攻撃の基地を粉砕してしまうということまでは今の条文ではできない」、また船田中防衛庁長官は「急迫不正な侵害を排除するためにどうしても他の手段がない、敵の基地をたたくということは自衛権の範囲内において最小限許される」と答弁している。

安保法制における集団的自衛権の行使容認と「敵基地攻撃能力」

 2013年2月7日、安倍首相は「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を設置。同年2月12日の衆院予算委員会で安倍首相は、「北朝鮮によるミサイル開発・核開発に関連して、策源地攻撃(=敵基地攻撃)と憲法との関係について、法理上では他に手段がないと認められるものに限り、敵の誘導弾等の基地を攻撃することは憲法が認める自衛の範囲内に含まれるが、現実の自衛隊の装備の在り方としては、策源地攻撃を目的とした装備体系の保有は考えていない」と従来の政府答弁を引き継いだ答弁をしている。

 しかし、この直後に渡米した安倍首相は、2月22日、日米首脳会談で安倍首相はオバマ大統領に、「集団的自衛権の検討を開始した」と報告している。帰国後の2月28日、安倍首相は衆院予算委員会で「策源地攻撃能力を米国に頼り続けてよいのかとの問題意識を示し、この議論は国際的な影響力があるので慎重に行なわれなければならないが、しっかり行う必要がある」と答弁している。

 そして2015年9月19日、戦争法=平和安全法制が可決された。2020年6月15日、河野太郎防衛庁長官が山口県と秋田県に設置を計画していた「イージス・アショア」の導入断念を表明した後、「敵基地攻撃論」が再浮上した。同年12月18日、安倍内閣は、「島嶼部を含む我が国への侵攻を試みる戦艦等に対して、脅威圏の外からの対処を行うためのスタンド・オフ防衛能力の強化が必要」と閣議決定している。長距離巡行ミサイルが必要という意味である。

 「敵基地攻撃」論の法理

 2003年1月、石破茂防衛庁長官は、自衛権の行使としての武力行使は、「おそれがあるときではだめ」だが、「被害が発生してからでは遅い」のであって、法的な構成は「着手の時期はいつか」にかかると発言している。

 国際法上で自衛権の発動には武力攻撃が発生することが必要で、武力攻撃の単なる恐れに対する先制的自衛権は認められないが、自衛権は被害が発生しておればその発動が可能である。つまり着手の時点が問題になる。

   自衛隊法76条1項1号(防衛出動)では、「首相が自衛隊に防衛出動を命じることができるのは、発生する明白な危険が切迫していると認められるにいたった事態が含まれる」と規定している。

「敵基地攻撃」論の落とし穴

 2003年、石破防衛庁長官は、「着手」について「相手国が東京を火の海にしてやるという意図を表明して、その実現のためにミサイルを屹立して燃料の注入を行うなどの準備を始めた場合」と発言している。

 2020年7月、河野防衛大臣は、「その時点の国際情勢、相手方の明示された意図、攻撃の手段、対応などによるものであり、個別具体的な状況に即して判断すべき」と発言している。要するに「着手」の客観的基準はないということ。ミサイルの「屹立」は実験や演習のためや、人工衛星の打ち上げの場合もある。IAの間違った勝手な判断でミサイル攻撃に着手してしまう危険性がある。

「策源地」の虚構

 「策源地」とは前線の作戦部隊に対して、必要物資の補給などの兵站、支援を行う後方基地である。河野防衛大臣は、「敵基地攻撃のためには移動式ミサイル発射機の位置をリアルタイムに把握するとともに地下のミサイル基地の正確な位置を把握し、まず防空用のレーダーや対空ミサイルを攻撃・無力化して相手国領空における制空権を一時的に確保したうえで、移動式ミサイル基地を破壊してミサイル発射能力を無力化し、攻撃の効果を把握した上で更なる攻撃を行うといった一連のオペレーションが必要」と述べている。つまり「敵基地攻撃」は、「基地」ないし「策源地」を対象としたものには限定されず、関連の軍事施設等に対する全面攻撃となる。

 国際法の国際人道法には、攻撃は軍事目標に限定する(区分原則=軍事目標主義)という制約がある。民間人や民間施設をミサイル攻撃することは国際法違反であり、到底許されることではない。

「安全保障環境」の虚像

政府は日本を取りまく「安全保障環境」の劇的な変化を事あるごとに説いているが、日本が「相手領域内でも弾道ミサイル等を阻止する能力」の保有に踏み切るなら、これが北朝鮮や中国にとっては自国の「安全保障環境」の一環の悪化と映ることが十分想像できる。

「抑止」の虚妄

 「敵基地攻撃」論は専守防衛の範囲内とされるから「攻撃」を前面に掲げるわけにはいかないと、自民党ミサイル防衛検討チームの提言(2020年8月4日)では、「敵基地攻撃」の用語を避け、「相手領域内でも弾道ミサイル等を担保する能力」の保有を認めると誤魔化している。

 1987年、国連第一回軍縮特別総会で採択された最終文書では、「真の永続的平和は、国連憲章が規定する安全保障体制の効果的な実施と軍縮と軍事力の急速かつ実質的な削減によってのみ、実現することができる」と明示されている。日本国憲法前文では、「平和のうちに生存する権利」が謳われており、日本は「人間の安全保障」を主導する立場にある。憲法学者の佐藤幸治氏は「この国際協調主義・平和主義こそ、日本国憲法最大の特徴といえるものであるが、日本国憲法が想定する「平和」は、ただ単に戦争のない状態ということではなく、自由主義(基本的人権尊重主義)が実現維持される状態ということが前提されている」と述べている。この日本国憲法を世界に広めていくことこそ求められている。

◎3月20日、石川県教育会館2階集会室で「憲法改悪NO!市民アクション・いしかわ」が開催した学習会・ディスカッションの報告要旨です。

 

 

関連リンク

記憶の灯り 希望の宙へ
いしかわの戦争と平和
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める!いしかわ市民連合

アーカイブ