9月5日、戦争をさせない石川の会は、安倍晋三元首相の「国葬」中止を求める声明を岸田文雄首相及び石川県政記者室に送りました。本会ホームページに紹介します。
【声明】
内閣総理大臣 岸田文雄殿
安倍晋三元首相の「国葬」中止を求めます
私たちは、安倍晋三元首相の「国葬」実施について、以下4点の立場から反対の意志を表明するとともに、その中止を求めます。
1. 安倍氏の「国葬」は、法律の根拠を欠いている。
2. 安倍氏の「国葬」は、憲法上の権利である「法の下の平等」に反する。
3. 安倍氏の「国葬」は、国民に弔意を強制するものであり、憲法上の権利である「思想・良心の自由」に反する。
4. 安倍氏の「国葬」は、元首相としての「業績」を美化し、それを強制するものであり憲法上の権利である「表現の自由」に反する。
1. 現在、「国葬」について定めた法律はありません。岸田首相は、内閣府設置法上の内閣の所掌事務として「国の儀式」にあたると閣議決定で実施を決めました。国会の議決も経ずに「国葬」を決めるのは、立憲主義を破壊するものです。また、「国葬」には国費を充てるとしているが、国会の議決に基づかない行使は、財政民主主義をないがしろにするものです。
2. 岸田首相は安倍氏を「国葬」にする合理的理由を示していません。政権の思惑だけで特定の個人を「国葬」として特別扱いするのは、憲法が規定する平等原則に反するものです。
3. 安倍氏の「国葬」は、全国民にかわって国が安倍氏への弔意を表明することです。これは、国民一人ひとりに弔意を押しつけるものであり、憲法が定めた「思想・良心の自由の保障」に反するものです。
4. 安倍氏は首相として、戦後レジームの解消をとなえ、国家主義的・軍国主義的な政治姿勢が顕著で、教育基本法の「改正」、特定秘密保護法、共謀罪法、安保法制など、日本を再び戦争のできる国づくりを進めてきました。また、政治の私物化、ウソとごまかし、立憲主義の破壊などの政治手法、行政情報の改竄・隠蔽など不誠実な政治姿勢には多くの批判があります。「国葬」によって安倍氏の「業績」を美化することは、安倍政治に反対する声を殺ぐ作用をはたし、表現の自由に反するものです。
2022年9月5日
戦争をさせない石川の会
共同代表:山村勝郎(元金沢星稜大学学長)
菅野昭夫(弁護士)