県民のみなさんへ呼びかけ

 戦争をさせない石川の会は、来る衆院選(10月19日公示 10月31日投開票)が希望ある政治への転換を実現できる大きな機会ととらえ、私たちの考えを別紙のような<声明>として有権者の皆さまに呼びかけます。

 

[声明] 総選挙に向けて〜憲法の平和主義を実現する政権の樹立を〜

                                                        戦争をさせない石川の会

 衆議院総選挙が間近に迫りました。自民党は政権を投げ出した菅義偉前首相に代えて岸田文雄新首相を担ぎ出し、国民の命と暮らしをないがしろにしてきた悪政のイメージチェンジを図ろうとしています。しかし、実態は安倍晋三元首相の傀儡政権であり、憲法改悪、日米同盟強化と大軍拡による戦争する国づくり路線を引き継いでいます。

 一方、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組の野党4党は、9月8日、総選挙の旗印になる野党共通政策に合意し、自公政権に代わる政権の樹立を宣言しました。

 戦争をさせない石川の会は、野党共通政策の合意を歓迎し、市民の命を守るための新たな政治の実現に向けた政権の登場を切に願うものです。とりわけ、共通政策の「憲法に基づく政治の回復」に掲げた、安保法制・特定秘密保護法・共謀罪法などの違憲部分の廃止、コロナ禍に乗じた憲法改悪の反対、平和憲法の精神に基づいた安全保障の手段の追求とアジアの平和創出のための外交努力、核兵器禁止条約の批准をめざし締約国会議へのオブザーバー参加、沖縄の辺野古新基地建設の中止は、草の根で戦争をさせない運動を進めてきた私たちにとって希望と勇気を与えてくれるものです。

 いま、日本は「台湾有事」を口実にした軍事態勢強化がかつてない勢いで進行しています。政府は戦争法にもとづく参戦態勢の検討を進めており、菅前首相は日米首脳会談で日米軍事同盟の強化とさらなる軍拡の推進を約束しました。F35A・B戦闘機部隊を地元の小松基地や宮崎・新田原基地に配備する計画を発表、この夏には日本全土を使って史上最大の日米陸上実動演習「オリエント・シールド21」を実施しています。沖縄や本土の米軍基地攻撃を想定して島嶼を奪還しミサイル部隊を展開するもので、日米両軍が同じ目標を攻撃する訓練です。また、自衛隊は離島防衛の訓練として日米仏の3カ国や日米英豪など4カ国で共同訓練を実施しており、中国への抑止力強化策が台湾や尖閣諸島周辺で緊張の高まりを生み出しています。

 私たちの目の届かないところで新基地建設も推進されています。辺野古新基地建設だけでなく、鹿児島・馬毛島への新米軍基地建設のゴリ押しや、「島嶼防衛」の名のもとに南西諸島への自衛隊ミサイル部隊配備=軍事化が急速に進められています。

 菅政権は、「防衛施設関係」を「注視区域」に指定して住民を監視・弾圧する重要土地利用規制法を今年6月に成立させました。戦争準備の新たな法制化であり、軍事的な目的での人権制限を定めたものとしてその適用に反対するとともに、廃止を求めます。

 平和を希求する市民は、これ以上、自公政権に国の舵取りを任せるわけにいきません。来る総選挙では、貴重な一票を平和の政策とその実現を目指す立憲野党の政権樹立に行使されるよう心から訴えるものです。

  2021年10月14日

  戦争をさせない石川の会も賛同団体になっている「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める!いしかわ市民連合」は、衆議院選挙が公示された10月10日、第13回ミーティングを近江町交流プラザ4階研修室で開き、以下の声明「衆議院総選挙への取り組みについて」を確認しました。本会ホームページに紹介します。

 

衆議院総選挙への取り組みについて

 衆議院総選挙がはじまりました。石川県の小選挙区において立憲野党による統一候補を擁立することができなかったことは大変残念であり、いしかわ市民連合としても、立憲野党を橋渡しするだけの力をもつことができなかったと考えています。県内でも、希望の党から3人が立候補されます。希望の党は基本的に安保法制を容認し、憲法改正を容認する立場であり、わたしたちの理念や政策と相入ないため、支援・共闘することを断念せざるをえませんでした。

 しかし、わたしたちのとりくみが無駄になることは決してありませんし、あきらめる必要もありません。県内の小選挙区において統一候補はいませんが、わたしたちができることはたくさんあります。

 いしかわ市民連合は、これまで社民党ならびに共産党と政策協議を行い、わたしたちの求める理念・政策への合意を確認してきました。両党が個別具体の政策内容を超えて、安保法制の廃止と立憲主義の回復という大義を共有していることから、いしかわ市民連合として、今回の選挙では立憲主義の回復と民主政治の実現に向けた大きな流れをつくり出し、ゆるやかな連携を広げていくために、小選挙区では特定の候補者を支援せず、比例区で立憲主義に立つ野党を応援することにしました。憲法を守り、市民のための政治を取り戻そうとする県内有権者のみなさんに、立憲野党の存在を知っていただき、選択肢があることを訴えたいと思います。

 みなさん、投票所に足を運んでください。選挙に行こうと呼びかけてください。一人ひとりの一票が、政治を変えていく確かな力になります。

 安倍首相は、森友・加計学園疑惑や自衛隊日報隠蔽問題を追及され、自己保身のために解散権を乱用しました。議会制民主主義を否定し、国会から逃げ続ける安倍政権と改憲への暴走を許すことはできません。

 今回の総選挙は、自民党を補完する改憲推進勢力に、市民の後押しを受ける立憲民主党・日本共産党・社民党・無所属候補の立憲主義勢力が対峙する、歴史的な選挙です。個人の自由と尊厳を擁護することが、民主政治の根幹であり、わたしたち一人ひとりが自分らしく生きられる社会をつくることこそが政治の目的であるはずです。立憲主義と民主主義を守り、平和で安心した生活と子どもたちの未来に直結する政治を実現するために、わたしたちの暮らしに根ざした、市民による政治をみんなで取り戻していきましょう。

 憲法をないがしろにする安倍政権、政治家はいりません。いしかわ市民連合は、市民が築いてきたゆるやかなつながりを大切に、市民と立憲野党が共同して、立憲主義を回復し、個人の尊厳を擁護する民主政治を実現するために、わたしたちの足元から声をあげていきます。ともに力を合わせていきましょう。

 2017年10月10日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める!いしかわ市民連合

「解散・総選挙に対するいしかわ市民連合の見解」を発表する河合隆平事務局長(前列左から3人目) 10月3日、県庁記者会見室


記者会見には多くの報道機関の取材がありました

 

   戦争をさせない石川の会も賛同団体になっている「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める!いしかわ市民連合」は、10月3日県庁記者会見室にて衆議院解散・総選挙に対する見解を発表しました。記者会見にはいしかわ市民連合共同代表の金森俊朗、河崎俊栄、須藤春夫、河合隆平各氏はじめ、賛同者12人が参加し、新聞社・放送局5社の取材がありました。

 記者からは「民進党の希望の党への合流に対する感想」「県内の民進党・予定候補者3人が希望の党に公認申請していることへの対応」「立憲民主党が結成されたことへの評価」「希望の党への働きかけは?」「政権交代の可能性の有無について」「予定候補者3人が希望の党公認になった場合、共産党・社民党と歩調を合わせるのか」「市民連合の今後の活動計画」など多岐にわたる質疑応答があり、10月10日告示の1週間前のタイムリーな記者会見になりました。

 いしかわ市民連合は明日、民進党石川県支部総連合会、社民党石川県連合、共産党石川県委員会を訪問し、立憲主義を守るために、野党共闘を復活することを申し入れます。

 本日記者会見した「解散総選挙に対するいしかわ市民連合の見解」を本会ホームページに紹介します。

 

 解散総選挙に対するいしかわ市民連合の見解

 9月28日の臨時国会の冒頭で衆議院が解散され、総選挙が10月10日に公示、10月22日に投票となりました。審議すべき課題や明らかにすべき疑惑を多く残したまま、600億円もの税金を投じて行われる今回の解散総選挙の大義やタイミングについて、多くの市民が疑問を抱いています。

 一方、野党の動きとしては、民進党が希望の党に合流し、事実上の解党となりました。安保法制の廃止と立憲主義の回復という目標のもとに市民と立憲野党が共に努力し、各地域でつみあげてきた信頼や協力の枠組みが大きく損なわれたことへの失望を隠せません。

 安倍政権による政治の私物化と度重なる議会政治の否定は、立憲主義と民主主義を破壊するものとして絶対に許すことはできません。市民や有権者を置き去りにした野党や政治家の動きもまた、市民の政治に対する不信感を高め、政治に参加しようとする市民の思いを断ち切るものといわざるをえません。市民として、政党と連携しながら、流動する政治状況を変えていくだけの力を蓄えきれていないことも確かです。いしかわ市民連合は、9月26日に立憲4野党と「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」とのあいだで合意した7つの基本政策(注記)の実現にむけて、石川県内の立憲主義を守ろうとする野党・候補者との共闘を模索していきたいと考えています。

 県内の民進党からの立候補予定者3人も、希望の党への公認を申請しました。安保法制や憲法改正に対する根本的な立場が問われる以上、民進党と希望の党の合流は難航し、民主主義の政治とは相容れない「選別」と「排除」の論理にも反発と批判の声が高まっています。そして10月2日、希望の党への合流を否定し、立憲主義と民主主義の立場を表明する枝野幸男氏を中心に「立憲民主党」が結成されました。

 わたしたちは、希望の党への公認を申請した3人には、地域での地道な努力をつみ重ねながら、市民と交わしてきた「憲法を守り、個人を大切にする政治の実現」という約束を誠実に守り、「立憲民主党」から立候補し、市民と共闘することを強く求めます。民進党石川県支部総連合会には、3人の公認申請を取り消し、立憲主義と民主主義を守る政治勢力に結集する決断を求めるとともに、社会民主党石川県連合と日本共産党石川県委員会にも、わたしたち市民と力を合わせて、民進党および3人の立候補予定者にはたらきかけ、野党共闘を復活させる努力を求めていきます。

 今回の選挙でわたしたちは、立憲主義に背いて一部の強者による政治を進めるのか、それとも立憲主義を回復し個人の尊厳を守る政治の実現をめざすのかを判断することになります。日々のくらし、子育て、仕事にかかわる政策も欠かすことはできません。立憲主義と民主主義を守り、わたしたちの平和で安定した生活と子どもたちの未来に直結する政治を、市民と共に実現させていくために、わたしたちの率直な声を、信頼できる立候補予定者・立憲野党に届けていきましょう。

 いしかわ市民連合は、安倍政権を終わらせ、市民による政治をとりもどすために、市民が築いてきたゆるやかなつながりを土台に、個々人が納得、信頼できる候補予定者・政党を支援し、市民と立憲野党との共闘の回復にむけて、あらゆる可能性を追求していきます。

 2017年10月3日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める!いしかわ市民連合

 

(注記)衆議院議員総選挙における野党の戦い方と政策に関する要望 

 安倍晋三首相は、9 月28 日に召集する臨時国会の冒頭に衆議院を解散する決意を固めたと報じられています。憲法第53 条に基づく野党の臨時国会召集要求を無視し、さらに代表質問、予算委員会における質疑をすべて省略して選挙を行うことは、言論に基づく議会政治を否定し、立憲民主主義を破壊する暴挙と言わなければなりません。
 この総選挙で再び与党およびその補完勢力に3 分の2 以上の議席を与えるならば、安倍政権が憲法改正を発議することは確実で、この選挙は憲政擁護の最後の機会となりかねません。立憲主義の原理を共有する4野党は、小選挙区においてそれぞれの地域事情を勘案し、候補者をできる限り調整することで与野党1 対1 の構図を作り、国民に憲政と民主主義を擁護する選択肢を提供する責任があります。
 私たち、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合は、4野党が以下の政策を重く受け止め、安倍政権を倒すという同じ方向性をもって、全力で闘うことを求めます。

1 憲法違反の安保法制を上書きする形で、安倍政権がさらに進めようとしている憲法改正とりわけ第9条改正への反対。
2 特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法など安倍政権が行った立憲主義に反する諸法律の白紙撤回。
3 福島第一原発事故の検証のないままの原発再稼働を認めず、新しい日本のエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。
4 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。
5 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能にするための保育、教育、雇用に関する政策を飛躍的に拡充すること。
6 雇用の不安定化と過密労働を促す『働き方改革』に反対し、8 時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立すること。
7 LGBTに対する差別解消施策をはじめ、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員男女同数化を実現すること。

2017年9月26日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

 

9月5日、県政記者室にて戦争をさせない石川の会が記者会見をおこないました


声明文につき、記者からの質問に答える戦争をさせない石川の会メンバー

 

 

 戦争をさせない石川の会は9月5日、県政記者室にて「北朝鮮情勢の危機打開へ 米朝の直接対話を実現させよ」声明文につき、記者発表しました。この声明文は内閣総理大臣はじめ県内市民団体、労働団体、報道機関各社に送付します。声明文を以下に紹介します。

[声明] 北朝鮮情勢の危機打開へ、米朝の直接対話を実現させよ

 北朝鮮は8月30日に弾道ミサイルを発射させ、続いて9月3日には6回目となる核実験を行った。大陸間弾道ミサイル搭載用の水爆実験で過去最大の威力をもつといわれる。日本は過去二度にわたり原爆の恐ろしさを体験しており、北朝鮮の核実験・ミサイル開発の強行に何よりも厳しく糾弾するものである。

 北朝鮮のこのような態度は、米国との間で軍事力を背景とした威嚇、恫喝の応酬がエスカレートして生まれたものである。北朝鮮情勢をめぐる最大の危機は、米朝両国のこのような軍事的緊張が偶発や誤算などによって軍事衝突を引き起こす可能性が強まっていることにある。もしそうなれば、北東アジア地域のみならず世界の安定と平和を破壊し、おびただしい数の犠牲者をもたらすであろう。そのような軍事的衝突は絶対に回避しなければならない。

 危機の打開には、国際社会が追究するように「対話による解決」が求められている。国連安保理議長声明は「対話を通じた平和的で包括的な解決を」加盟国に呼びかけており、EUの政治安全保障委員会も北朝鮮情勢の「緊張緩和の緊急の必要性」を指摘し外交的努力を強めることで合意している。

 戦争をさせない石川の会は、米朝両国に対しこれ以上の軍事的な挑発を中止するとともに、現在の危機を打開するために無条件で米朝両国が直接対話に踏み出すことを強く求める。

 日本政府は米国との同盟関係を強調して「圧力と対話」による解決を表明しているが、北朝鮮問題を口実に「イージス・アショア」、「SM3ブロックⅡA」などの新たな迎撃ミサイルを導入する防衛予算を大幅に増大させ、国民には北朝鮮のミサイル発射に対して効果のない避難訓練や緊急情報を発令するなど不安や危機をあおっており、対話よりも圧力を強める姿勢をみせている。

 戦争をさせない石川の会は、日本政府に対し「対話否定論」の態度を改め、米国政府に対話に踏み切ることを説くとともに、国連で採択された核兵器禁止条約に照らして、北朝鮮の核も米国の核も否定する地域の安全保障の仕組みとして、「北東アジア非核兵器地帯」の実現に向け、リーダーシップを取るように強く求める。

 2017年9月5日

                        戦争をさせない石川の会 

                          共同代表 山村勝郎

                               莇 昭三

                               菅野昭夫

 

 戦争をさせない石川の会も賛同団体になっているいしかわ市民連合は、衆院選に向けて市民の立場から政策を作りあげるため、「いのちとくらしを守る市民集会」を連続開催しています。

 第3回の開催要項が下記のように決まりましたので、県民のみなさんのご参加を呼びかけます。

  印刷用(PDF:1MB)

 戦争をさせない石川の会は、政府が今国会で成立を目指している共謀罪(テロ等準備罪)法案が、戦争をする国づくりに反対する私たちの行動を内心にまで踏み込んで捜査の対象とする憲法違反の内容であると判断しています。5月19日、別紙の「共謀罪法案の制定に反対する声明」を内閣府と法務省に送付し、直ちに法案を撤回するよう要請しました。

 

内閣総理大臣 安倍晋三様

法務大臣 金田勝年様

      共謀罪(テロ等準備罪)法案の制定に反対する声明

                        戦争をさせない石川の会

 

 政府が国会に提出した共謀罪(テロ等準備罪)法案は認めることができないので、ただちに法案の撤回を要求する。

 安倍首相は施政方針演説の中で共謀罪の必要性について、「テロ対策のために、テロ等準備罪を罰する法案をつくり、国連国際組織犯罪防止条約に加入しないと、東京オリンピック・パラリンピックを開けない」と説明している。しかし、法曹界や憲法・刑法学界からは、国際組織犯罪防止条約がテロ対策だというのはこの条約の目的に反していると明確な反論がなされている。すでに3度にわたって国会に提出された共謀罪だが、これまでもテロ対策のためと説明されてはいない。

 安倍首相は事実に立脚した議論を軽視し、テロ対策という「ウソ」の理由でオリンピックを期待する国民感情を利用して共謀罪の成立をはかろうとしており、その政治手法に強く抗議する。

 安倍首相の政治信条は、日本をふたたび戦争をする国に作り替えることにある。特定秘密保護法、戦争法(安保法制)など、日本国憲法に違反する法の制定を強行してきた事実がそれを示している。自民党の憲法改正草案では、日本国憲法の平和主義を全面的に破壊する国防軍の創設を掲げている。共謀罪の目的は、戦争をする国に歯止めをかける批判的な人や団体を共謀の段階から捜査、逮捕の対象とすることで、その抑止効果をねらった点に最大の眼目がある。

 共謀の捜査では話し合いや合意の証拠を集めるために、疑いを持った人のコミュニケーションすべてを監視することになり、盗聴法(通信傍受法)の活用は一段と進むに違いない。昨年末、盗聴法は捜査で電話やメールを傍受できる通信傍受の対象犯罪を拡大したばかりだが、さらなる改正がされるだろう。日本国憲法は21条で表現の自由を謳っているが、第2項では「検閲は、これをしてはならない」「通信の秘密は、これを侵してはならない」と書かれている。あえて検閲の禁止と通信の秘密確保が明文化されたのは、先の大戦の経験から、戦争には必ず検閲がおこなわれ、表現の自由が侵されて戦争の歯止めが失われた反省にもとづいている。しかし、すでに盗聴法の拡大は進んでおり憲法21条2項は空文化しつつある。共謀罪の成立で警察の盗聴はより合法化され、市民のコミュニケーションは全部盗聴される可能性がある。巨大な監視社会となるであろう。

 共謀罪の次の問題は、法案にある犯罪の構成要件がかなり曖昧であり、恣意的な検挙がおこなわれる恐れがあることである。有罪であるか否かより、とりあえず逮捕することが常態化するであろう。すでに沖縄県では、基地反対運動のリーダーが微罪であるにもかかわらず長期拘留された事態が起こっている。我々の会が主催した「泊・横浜事件」の勉強会では、第2次大戦末期、当時の特別高等警察が治安維持法を使って、富山県泊の料理旅館で開かれたある出版記念会の一枚の写真をもとに、その会合を共産党の再建会議と虚偽の事件を作りあげ、出席した関係者を逮捕・長期拘留・拷問などによって犯罪者に仕立て上げ、彼らの自白をもとにさらに逮捕者を広げていった悲惨な人権弾圧・言論表現弾圧の歴史を学んだ。この共謀罪が現代の治安維持法と言われるように相当広範に恣意的運用ができ、「泊・横浜事件」が示すように市民団体の通常の活動までもその対象になる可能性がある。政府は、一般の人は関係ないと強調するが、曖昧な犯罪の構成要件から善良な市民が意識しないうちに共謀の対象になっていることは十分に考えられるのである。

 戦争をさせない石川の会は、このような憲法違反の共謀罪法案制定に強く反対する。安倍首相はこれまでの国会運営において、自公勢力の数の力で秘密保護法や戦争法の成立を強行してきた。共謀罪法案についても同様に数の力で押し切る暴挙は許されない。安倍首相と金田法務大臣はただちに「共謀罪」法案を国会審議から撤回するよう要求する。

   2017年5月19日

                         戦争をさせない石川の会

                          共同代表:山村勝郎

                               莇 昭三

                               菅野昭夫

 戦争をさせない石川の会も参加している「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体は、5月21日(日)午後2時からいしかわ四高記念公園にて「共謀罪」を許さない県民大集会とデモ行進を計画しています。

   詳細は下記の案内チラシをご覧ください。多数のご参加を呼びかけます。

印刷用(PDF:611KB)

 

 

 戦争をさせない石川の会も参加している「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体は、平和憲法施行70周年記念日の5月3日、本多の森ホールで下記の県民集会とパレードを計画しています。

   詳細は下記の案内チラシをご覧ください。県民のみなさんのご参加を呼びかけます。

 

 案内チラシ(PDF:1MB)

案内チラシ(PDF:929KB)

 戦争をさせない石川の会も参加している「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体が3月17日に記者会見を開いて公表した「共謀罪」新設法案の国会提出断念を求める共同声明をホームページに紹介します。

 

「共謀罪」新設法案の国会提出断念を求める共同声明

 安倍内閣は、「共謀罪」を意味する「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法改訂法案を閣議決定し、今通常国会に提出する方針と伝えられています。私たち「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体は、以下に述べるように、この法律改訂は国民の基本的人権を著しく侵害する怖れがあり、違憲立法となることから、法案の閣議決定並びに国会提出を断念するよう強く求めるものです。

 政府与党は、この間の議論の中で、罪名を「共謀罪」から「テロ等準備罪」に変更し、対象となる犯罪を当初の676から277に絞り込みました。そして、捜査、処罰の対象は、テロ集団や暴力団であって、一般市民を対象とすることはないと説明してきました。しかしながら、組織的犯罪集団とは、定まったものではなく、市民団体もその活動によっては、組織的犯罪集団と定義づけられるとされ、その判断は捜査当局の恣意に委ねられるものです。また、絞り込まれた277の犯罪には、組織的威力妨害罪、背任、所得税法、法人税に関わるものなど一般市民が犯し得る犯罪が含まれていることや、日米地位協定の実施に伴う刑事特別法を加えていることなどから、沖縄をはじめ全国の米軍基地に反対する市民運動が処罰の対象となることが十分に想定されます。従って、「テロ等準備罪」が一般市民に及ばないとの保証はありません。

 そもそも、政府与党が「共謀罪」新設の根拠にしてきた国連越境組織犯罪防止条約は、マフィアによる麻薬取引といった国際的に越境する経済犯罪を準備の段階から処罰できるための国際条約であり、条約加盟は、それぞれの国内法規範の枠内での法整備で可能です。これをもって、「共謀罪」の必要性やテロ対策の拠り所にすることはできません。さらには、日本の刑法には、既に72の例外的な陰謀罪、共謀罪、予備罪、準予備罪が制定されており、越境犯罪やテロ行為に対処できる法体系となっています。

 したがって、「共謀罪」と同義の「テロ等準備罪」を新たに制定しなければならない立法事実は存在しません。

 私たちは、「共謀罪」の新設が、近代刑法の基本的な考え方に則ってきた日本の刑法を根底から覆すものとなる問題を極めて重視しています。それは、国家権力が恣意的な処罰ができないよう、処罰の原則を犯罪の実行(法益侵害の結果発生)に置いてきたものを、個人や社会に侵害を与えない相談・予備の段階から処罰できるようにすることです.これにより、あの治安維持法が猛威を振るった時代のように、市民生活の中に、盗聴や密告、内偵などが常態化し、正当な市民活動や思想信条の自由を破壊する暗黒社会が再現されることを深く憂慮します。いやしくも、日本国憲法において憲法擁護義務を負う政府が、自ら憲法規範を破壊する愚を再び犯してはなりません。

 よって、私たちは、日本国憲法が保障する基本的人権の侵害を許さない立場から、「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法改訂を断念させるために、県民と共に声を上げていくことを表明します。

2017年3月17日

「憲法改悪阻止!戦争法廃止!」を呼びかける八団体

  石川県憲法を守る会、石川憲法会議、九条の会・石川ネット、

  石川県平和運動センター、石川県労働組合総連合、青年法律家協会北陸支部

  戦争をさせない1000人委員会・石川、戦争をさせない石川の会

 

 戦争をさせない石川の会も賛同団体になっているいしかわ市民連合は、衆院選に向けて市民の立場から政策を作りあげるため、下記の要領で「いのちとくらしを守る市民集会」を計画しています。

 ゲストは安保関連法に反対するママの会呼びかけ人の西郷南海子さんです。

 市民のみなさんのご参加を呼びかけます。

 

170422_いのちとくらしを守る市民集会_チラシ

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いしかわの戦争と平和
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める!いしかわ市民連合

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